Mrs. Fujiwara's lecture at 高岡市民教養セミナー
高岡駅前 ウィング・ウィングにて
Mrs. Fujiwara は、藤原正彦氏の奥様、藤原美子さん。 『子育てより面白いことが他に有るだろうか』(1997年 海竜社)という著書には、1955年米国ブリストン生まれ、お茶の水女子大学文教育学部教育学科卒業・同修士課程終了、発達心理学専攻、エッセイスト、翻訳者・・等と書かれている。 今日の演題もこの著書名と同じ。
3ヶ月前から、高岡で、Mrs.Fujiwara にとっては初めて依頼された講演があると(2カ月前の藤原正彦先生の講演で)聞いていた。私は自他共に許す Mr.Fujiwaraのおっかけであるが、his wife までおっかけするつもりはなかったのに、拝聴することになってしまった。
正彦氏の多くのエッセイにはこの奥様の登場する部分が少なからずあり、しかも彼の書き方によれば大変手ごわい存在とされている。 intelligentなかたというのは言わずと知れているが、「気がつよい / 勝ち気 / 自分に武士道精神がなかったら時になぐりとばしたくなるオンナの筆頭・・・ / 怒って耳をひねり上げられた・・」などユーモラスな部分は数え切れない。 同時に「ピアノがうまい・・・何事にも一生懸命な・・・目に涙をうるませ・・・」と情操豊かな、愛らしい女性ということが充分察せられる表現も多々存在。
今日の講演は、日頃のご主人のエッセイへの逆襲も散りばめた、楽しい、そして何と言っても優雅なお話ぶりであった。正彦氏が20年前にケンブリッジ大学へ1年間家族と共に教鞭・研究に行ったときの、「次男が遭遇したいじめ」を中心に話された。ことの次第は彼の著書『遙かなるケンブリッジ』にも書かれていたが、奥様を通して同じ事件が語られるのも興味深い。講演全てにわたって美しい声、口調で気品がみなぎる話し方であるが、とても真摯で率直で、時に当時の苦しみを思い出し、声をつまらせるほどの感情移入が素敵だった。
正彦氏が日頃書かれている日本人の精神性、情緒の教育のことなど、重ねて話されていたが、家庭人としても素晴らしい正彦氏だと思う一方、彼独特の「主義主張を曲げない頑固さ」対して“苦労”する妻の立場もよく理解できる。 しかし基本的には対等で尊敬しあうお二人のユーモラスなやりとりを、講演や著書を通じて楽しんでいる私である。
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