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剣岳の落石事故はやはり多くの人の関心を寄せている。先週金曜に撮影は中止され、ロケ隊は帰京した。まだ再開の日は決まっていないようだ。心痛む私は昨夜東京のスタッフのA氏にメールをした。今朝返信が。 お聞き及びのように19日11時10分ごろ事故が起きました。 撮影は一時中断、20日下山ということで劒澤から峠を越えて約3時間、室堂ターミナルに到着後、大型バス、鉄道で、俳優スタッフは東京に戻りました。 ・・・・・・・・・・・・・・・ この数日来劔澤小屋に宿泊して周辺で撮影をしていました。この日は小屋から30分ほど登った支流の雪に覆われた沢筋での撮影でした。沢の周辺の岩壁での撮影でしたが、沢の中ほどに有った雪の上に出ていたハイマツ帯に機材を置き岩壁にスタッフ、俳優が集結して撮影準備をしていたところへ上から大きな岩が(多分直径1.5mぐらいのかなり大きな岩でした)落ちてきたのです。30人強のスタッフ俳優に7人のガイドがついて安全を確保していたのですが、この沢の上から落石が有るとは予想していなかったようです。不幸なことに唯一その現場に残っていた録音スタッフの技師さんに直撃してしまいました。 もし20〜30分早かったらばスタッフが集まっていたところでしたので、大惨事になったかもしれません。幸い録音技師は県警のヘリで病院に運ばれて直ちに処置をすることができ、手術もうまくいったようです。脳挫傷ということでしたが容態が良くなってくれることを祈るほか有りません。 県警の捜査も有り、不可抗力の自然災害ということになったようですが、厳しい自然相手は怖いものだと再認識した次第です。不幸にも自然災害に巻き込まれてしまった状況ではありますがこの事故から学ぶことは多くあるように思います。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・後略 6時間後の私の返信・・・。 メールを読ませて頂き、事故が当事者の方々にとって私たちの想像以上に大きな衝撃だったことを感じ、とてもショックでした。生々しい事故の状況を想像し、改めてそのときの惨事が目に浮かびます。もう2,30分早かったら・・という仮定に、みなさんのトラウマはなかなか消えることはないでしょうね。 私たちは実際の高い山々を知らないものですから、危険だとか大変な苦行だとか言われても下界から見上げているぶんには、やはり切実には考えていなかったのだと思います。まさに命がけだったのですね。奥様のS子さんがお守りを作られた話、いつもロケに出発されるときの「なにがあっても泣くな・・」という覚悟はそれを読んだときもグサッとなりましたが、撮影の方々はそれ程切実な思いで山へいらしたのだと痛感します。 マイナスのことが起こりますと、今までの反省から微妙な不協和音が生じたり、みなさんの気持ちに乱れが生じたりするのでは、と心配ですが、でも今はそれが建設的な方向へつながっていくよう願うばかりです。 本当に「劔岳」は前人未踏の頃も今もやはり厳しい自然には変わりないのですね。 木村さんも東映の方々も、そして俳優スタッフの方々も、重大な局面に立たされていらっしゃるのを思いますと、胸が痛みます。 だからこそ素晴らしい映画になるのでしょうが、何よりも安全第一に、でも芸術も映画の価値も損ねることなく無事に撮影を完成させてくださるように、という欲張りな願いを胸に、再開を祈っております。 |
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